レゲエニュース CH7(チャンネル7)

2004年から2007年まで、レッドホットなレゲエニュースをピックアップしていたch7。

Vol.067-075
「のってけ乱気流」




XTERMINATORレーベルからのスマッシュヒット「Give Her Wah She Want」で彼の名前を知ったレゲエファンも多いはず、その名はTurbulence。

Turbulence=乱気流という名前通り、彼は2004年のダンスホールを大いに荒らした。ジャマイカのラジオで曲をかけてもらうのは結構難しい中、彼のヒットチューン 「Notorious (I Could Have Been One of the Most)」、Sashaと歌った「Natty Pon Mi Front line」は多くのラジオ局が流していた。
それまで小さなショーをたくさんこなして観客をMush Upさせていた彼は、いつの間にかたくさんのプロデューサーに「俺のリズムで曲を録ってくれ!」とお願いされるほどのアーティストになった。 12月には「Magnificent Seven」グループの一員としてMagnum Stingに出て、高く評価された。1月のRebel Saluteでもまたまた大Mush Upだったそうだ。 そんなTurbulence、最近のインタビューでこう語ったようだ。

「2004年は俺にとってとても前進的な一年だったよ。みんなに本当の俺を聴いてもらうことができた。以前は俺をダメ扱いしてたヤツらにも、昨年末までには認めてもらえるようになったよ。」

そんなTurbulenceのショーは、プロモーターでありアーティストでもあるTony Rebelに認められた。 彼は、Turbulenceをジャマイカ国内だけではなく国際的にレゲエを広めてくれるようなアーティストの一人であると話した。 それ以外にはI-Wayne、Queen Ifrica、Mr Perfect、Chesidek、Fantan Mojah等が有望だそう。 Rebelいわく「Turbulenceにはインターナショナルに成功する才能があると思うんだ。彼は作詞作曲できるし、パフォーマンスも素晴らしい。あとはきっかけをつかむだけだ。」 このように褒められたりするのは、Turbulenceにとっては初めての経験だそう。彼も長い間、ブレイクする日を夢見て苦しんでいる売れないアーティストのひとりだったのだ。 実は今までに7枚のアルバムをリリースし、ヨーロッパを何度もツアーしたことがある彼だが、ジャマイカ人に認められるようになったのはごく最近だ。

Turbulenceは1999年にXterminator familyに発掘され、Sizzlaの前座としてキャリアをスタートさせたという。
彼とSizzlaは一時、似た歌い方、DJをしていて、Turbulenceの人気が上がってきた今は、二人の不仲がウワサされているらしいが、Turbulenceはこれをきっぱり否定したそうだ。 「Sizzlaはとてもいい人で、俺にとってとてもいい影響を与えてくれる人間なんだ。今までに彼と対立したことはないし、ネガティブなことを言い合ったりしたこともない。 俺たちを比べてあれこれ言うヤツらもいるけど、気にしないことにしてるんだ。俺たちはJahの仕事をそれぞれのやり方でやっている別々の人間なんだから。 確かに、まだ若くて勉強中の頃はSizzlaの真似をしたこともあったけど、経験を積み始めてから俺の声は変わり、考え方も変わっていったんだ。俺自身の個性が現れて、今の俺にたどり着いたんだ。」

人気が出てきてからはプライバシーがなくなり、今まで彼を無視してきた人たちも彼と関わろうとするようになってきたという。 「昔は本当に俺をバカにしてたようなヤツらがだぜ。俺の曲を聞いて即却下してたようなプロデューサーが今では俺の曲を録りたがる。でも俺は昔のことを忘れていない。 忘れることができないんだ。」しかしTurbulenceは恨みを持っているわけではないとのこと。 「俺が集中したいのは音楽、それだけなんだ。いつか自分のスタジオが持てるくらいまでいきたい。最近はギターを使って音楽を作ったりもしてる。 俺ほど音楽が好きで熱意を持ってると、とにかく新しいことをやったりしてみたいもんなんだ。Burning SpearやTootsのように楽器を使って音楽をやる、それが俺の目指してる道だ。 あと、音楽で成功するのは本当に大変なことだから、がんばってる他のアーティストの力にもなりたいんだ。Jahは俺に才能を与えてくれた。それを使ってできるだけ人のためになりたい。」
最近はかなり7inchのリリースも増えている彼、Turbulence。またまた要チェックなアーティストが出て来てしまった!
<2005.5.16><text:ca-spa>





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